イントロダクション
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PSDToolKit解説第五回として、第一回~第四回までに解説した内容を踏まえて実際に動画を作成する手順を記述していこうと思います。
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↑こんな感じで画面の両端でキャラが喋って、背景やエフェクトなんかが付いたボイスロイド動画の基本形みたいなものを作っていこうと思います。
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遂に実戦投入できるものを作る事になる訳ですわね。
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まあ、今までの解説の集大成みたいな感じですね。
そういう訳で、この記事ではPSDToolKit解説シリーズの第一回、第二回、第三回、第四回の記事内容を理解している事を前提に記述していきますので御了承願います。
あと、製作方法に関しては私の個人的な作り方になりますので、他の人の参考になるのか解らなかったりしますが、それでも良いという方は読んでいって下さいませ。
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宜しくお願い致します。
PSDToolKitを使った動画作成の手順
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動画作成に必要な素材を揃える
動画作成の前準備として、必要な素材を用意しておきましょう。
◎背景素材
↑私の場合、背景画像や背景動画に使用する素材はこちらのPixabayでよく探してきます。
無料でカッコイイ素材がダウンロードできますので、お薦めですね。
動画に関してはループ素材が少ないので、自分でループ動画に加工したりして使う事が多いです。
↑ループ動画の基本的な作り方はこちらの記事を参考にして下さい。
◎エフェクト素材
先程紹介したPixabayにもエフェクト素材が沢山ありますが、私は自分で作った桜吹雪とかのパーティクルを使う事が多いです。
↑製作方法に関しては上記の記事等に書いてますので、興味のある方は作ってみて下さい。
◎BGM素材
↑私がよく使うフリーBGMなんかはこちらの『DOVA-SYNDROME』が多いですね。
ただ、こちらの特定のBGMを使うと何故かYouTubeから著作権侵害の申し立てを受ける事がありますので、注意が必要です。異議申し立てをすると解決しますが、その辺の作業が面倒臭い人は使わない方が良いかも知れません。
↑動画内に入れる効果音に関しては、こちらの『効果音ラボ』で大体のものは揃うと思います。
◎立ち絵素材
↑立ち絵に関しては『ニコニコ静画』あたりにPSDToolKitに対応したものが色々とありますので、利用規約をよく読んで好みのものを使うと良いと思います。
※PSDToolKitに対応していない立ち絵だと色々とイラスト作成ソフトで改修しないといけませんので、あまりお勧めはできません。
↑例によって、今回も私はこちらの商用フリーの立ち絵を使っていこうと思います。PSDToolKitにも、ある程度は対応していますので使い易いですからね。
◎立ち絵に対応したanmファイル
第一回、第二回のPSDToolKit解説を参考にして、使用する立ち絵に対応したanmファイルを作成しておきましょう。
とりあえず、PSDToolKitで動画を製作するにあたって必要なものはこんな感じですかね。
では、素材が揃ったという仮定で次項から動画製作をしていこうと思います。
PSDToolKitを使用した動画製作手順
手順①AviUtlを起動して新規プロジェクトを作ります。昨今の動画環境からすると、画像サイズは1280×720、または1920×1080で作成する事を推奨します。
手順②レイヤー1に背景画像、もしくは背景動画の素材を放り込みます。
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↑私はこちらのフリー画像を使用しますが、自分の好きなものを適当に使って下さい。
手順③レイヤー2にエフェクト用の素材を放り込みます。
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↑私はこちらの自作桜吹雪エフェクトを使いますが、別になくても動画を作れますのでスルーしても大丈夫です。
手順④レイヤー3に周辺ボケ光量を生成してヴィネット的効果を付加します。
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↑タイムライン上のオブジェクトが何もない場所で右クリック→『メディアオブジェクトの追加』→『カスタムオブジェクト』を選択して下さい。
タイムラインに生成されたカスタムオブジェクトをレイヤー3に移動して、パラメーターを変更します。
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↑カスタムオブジェクトの種類を『周辺ボケ光量』にして、上記みたいな感じでパラメーター数値を変更して下さい。
これで画像周辺が黒くボケると思います。
まあ、別に必須ではないので、お好みで使用して下さい。
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↑ここまでの工程で一応の背景が完成しました。
シーン機能を使えばこの3つのレイヤーを1レイヤーにまとめられますので、レイヤー数を減らしたい人は使用してみて下さい。
↑シーンの使い方はこちらの記事を参照して下さい。
では、次に立ち絵を配置していきましょう。
手順⑤立ち絵のPSDファイルをレイヤー12と13に放り込みます。
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↑レイヤー12、13にPSD形式の立ち絵その1、その2をドラッグ&ドロップで放り込んで下さい。
※レイヤー4~12には、あとで音声ファイルとそれに付随する多目的スライダー等を入れるので空けておいて下さい。
各種設定は後でしていきます。
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↑適当に設定ダイアログから立ち絵その1、その2を拡大縮小して両端に配置して下さい。
手順⑥レイヤー14にメッセージウィンドウ用の素材を放り込みます。
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↑私はこちらの自作品を使います。
↑作成方法はこちらの記事にまとめてありますので、興味のある方は参照してみて下さい。
まあ、ニコニ・コモンズあたりにメッセージウィンドウ系の素材は沢山ありますから、自作するのが面倒臭いという人はそちらから好みのものを探してみて下さいませ。
手順⑦字幕表示オブジェクトをレイヤー15、16に生成します。
字幕表示方法に関しては 第四回解説で説明しましたが、一応記述しておきましょう。
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↑画像は使いまわしですが、タイムライン上のオブジェクトが何もない場所で右クリック→『メディアオブジェクトの追加』→『PSDToolKit』→『字幕表示(キャッシュ)』を選択して下さい。
生成された字幕表示オブジェクトをレイヤー15に配置し、それをコピーしてレイヤー16にペーストして下さい。
手順⑧音声ファイルを作成してタイムライン上に配置します。
私の場合はボイスロイドで調声して、VoiceroidUtilで音声保存と同時にタイムラインに自動配置するように設定していますので、そちらの方式でやります。
↑VoiceroidUtilの導入~基本操作方法に関してはこちらの記事を参照して下さい。
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↑ってな訳で、ボイスロイドで音声を作ってVoiceroidUtilの音声保存を押すと指定したタイムラインに自動挿入されるようになりますので、立ち絵その1とその2に使いたい声で音声ファイルを作って下さい。
とりあえず、レイヤー4に立ち絵その1に対応する音声を入れ、レイヤー8に立ち絵その2に対応する音声を入れる事にしましょう。
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↑ここまででタイムラインはこんな感じになっていると思います。
第三回解説で説明したレイヤー統合にチェックが入っている場合は必要レイヤー数が減りますが、私の場合は一度変更した表情なんかを維持する為に統合していません。
手順⑨レイヤー17、18に感情表現用のアイコンを放り込みます。
とりあえず、今回はフリーのアニメーションする感情アイコンを使用する事にします。
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↑例としては、この猫の周囲に浮かぶ?マーク的なやつですね。
↑具体的な使用方法なんかはこちらの記事を参照して下さい。
レイヤー17が立ち絵その1用の感情アイコンで、レイヤー18が立ち絵その2用の感情アイコンに使用する感じですね。
まあ、必要がなければスルーしても大丈夫な項目です。
手順⑩レイヤー19に効果音素材。レイヤー20にBGM素材を放り込みます。
こちらも別に必須ではありませんが、使用したい場合は入れておいて下さい。
ただ、私の場合は効果音とBGMに関しては動画部分の編集を完全に完成させて動画として出力してから、後付けで入れてます。
一度、BGM等も一緒に編集して10時間かけて出力してみたら、音がズレていたり、ボイスロイドの音声より音量が大きくてセリフが聞き取りにくくなっていたりといった不具合が出た事があるので、私なりに対策してみた感じですね。
工程は増えますが、後付け方式をとった方がミスをした時にリカバリーが簡単なので、個人的にお薦めです。BGM後付けするだけなら、動画の出力自体も大した時間がかかりませんからね。
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↑ここまでの工程で必要最低限の素材は全部タイムラインに入れましたので、次は各種設定をしていきましょう。
手順⑪レイヤー12、13のPSD形式の立ち絵の設定をしていきましょう。
設定方法に関しては、第三回解説と大体同じなので細かい説明は割愛しますが御了承願います。
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↑レイヤー12の立ち絵その1(左側)の設定ダイアログはこんな感じです。
対応する口パク準備レイヤーと多目的スライダーのレイヤー番号を入力→アニメーション効果を追加して種類を立ち絵に対応したanmファイルに変更→デフォルト状態で使用する目パチと口パク番号を入力→anmファイル用のアニメーション効果を描画@PSDの上に移動させれば終了です。
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↑レイヤー13の立ち絵その2(右側)の設定ダイアログはこんな感じです。 さっきのレイヤー12と同様の作業を行ってください。
これで目パチ口パクできるようになりましたので、次は字幕設定をしていきましょう
手順⑫レイヤー15、16の字幕表示オブジェクトの設定をします。
設定方法に関しては、第四回解説と大体同じなので細かい説明は割愛しますが御了承願います。
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↑レイヤー15の字幕表示オブジェクトは立ち絵その1(左側)用に使用します。
設定ダイアログは『文字毎に個別オブジェクト』に入れて、使用したい字幕準備レイヤー番号を入力すればOKです。 私の場合はレイヤー7の字幕を使用しますので7を入力しています。
他のエフェクトに関しては後述します。
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↑レイヤー16の字幕表示オブジェクトは立ち絵その2(右側)用に使用します。
設定方法は先程と同様の手順なので割愛します。
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↑字幕表示オブジェクトの共通エフェクトはこちらになります。大体は第四回解説と同じような感じなので、使い方はそちらを参照してみて下さい。
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↑ここまでで、こんな感じになっていると思います。
では、次に立ち絵の表情を変えていきましょう。
手順⑬立ち絵の表情を変更する。
まずは、立ち絵その1(左側)の表情を変えていきます。
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↑レイヤー6の多目的スライダーを使用して表情を変更する事が可能ですが、下にある2つの多目的スライダーは現在のサンプルだと使用不可となっております。
これはPSD形式の立ち絵に読み込んだanmファイルが、今の所1つしかないからです。2つ目、3つ目のanmファイルを読み込む事で下2つの多目的スライダーが使用可能となります。
一番上の多目的スライダーには何も書かれていませんが、PSD形式の立ち絵に読み込んだanmファイルと同じ並びなっていますので、このスライダー番号を変更する事で表情を変える事が可能となります。
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↑こちらのPSD形式の立ち絵に読み込んだanmファイルだと、上から順に眉、目、口になっていますので、レイヤー6の多目的スライダーの差分パーツを適当に好きなものに変更して下さい。
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↑表情の変更が済んだら、表情が勝手にデフォルト状態に戻らないように、多目的スライダーを伸ばしておきましょう。(このあたりは好みになりますので、メンドイという人はスルーしても大丈夫です)
デフォルト設定だと多目的スライダーや音声ファイルがグループ化してますので、右クリックしてグループ化を解除してから伸ばして下さい。
その後、立ち絵その2(右側)の表情も同様の手順で変更して下さい。
手順⑭立ち絵に呼吸スクリプトを追加します。
最後の工程として、レイヤー12と13のPSD形式の立ち絵に呼吸するような動きを付加するスクリプトを付加しておきましょう。
こちらも、特に必須ではないのでメンドイという人はスルーしても大丈夫です。
↑自動呼吸アニメーションの導入~使用方法はこちらの記事を参照して下さい。
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↑レイヤー12のパラメーターはこんな感じにしています。アニメーション効果を追加して種類を『呼吸』に変更して、適当に好きな感じにパラメーターをいじればOKです。
レイヤー13の立ち絵の方にも、同じような手順で呼吸スクリプトを付加して下さい。
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↑一応の完成形がこちらとなりますね。
※これが基本形となりますが、anmファイルに腕とか指なんかの差分を登録する事でスライダー番号から簡単に変更する事もできるようになりますので、利便性を上げたい人はやっておいた方が良いと思います。
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↑今回の基本形の1.5倍くらい労力をかけると、こんな感じで髪とか服とかも揺らせるようにもなりますので、興味のある人はやってみても良いと思います。
↑具体的な作り方はこちらの2つの記事を参照して下さい。
ってな訳で、全5回に渡って書いてきたPSDToolKit編でしたが、今回で一段落となります。
↑と、思いましたが続編の記事ができましたのでお時間のある方は読んでいってくださいませ。
私が製作方法を忘れた時の為に書いた記事ですが、何かの参考になれたのなら幸いです。
では、そろそろ長くなってきましたので、本日はここまで。
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お疲れ様でした。
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記事作成時間:約7時間
いや~、やっとPSDToolKit編の解説シリーズが終わりを告げました。
面倒なサンプルを作りながら記事を書いたので、ムチャクチャ時間がかかりましたわ。
まあ、PSDToolKitに関してはもうちょっと書く事も残っているので、ネタがなくなったら記事にしていこうと思います。
ああ、あと(これを書いている時点で)劇場公開しているファフナーの最終章を師匠達が見に行くというので、私もついていって見てきました。
↑感想については後述しますが、なかなかの名作でしたわ。
では、恒例の累計出費&記事作成時間を発表していきますか。
お時間のある方は次項も読んでいって下さいませ。
総制作時間:約1536時間
累計支出:58,882円
本日のお薦めアニメ『蒼穹のファフナー THE BEYOND』!!!
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今回ご紹介する商品は、私の師匠オススメのアニメ『蒼穹のファフナー THE BEYOND』です。
2019年~2021年にかけて劇場公開されてきたファフナーの最終シリーズ(全12話)ですね。
前作の『蒼穹のファフナー EXODUS』から2~5年後を描いた作品で、前作主人公が人間をやめてしまって扱いにくくなった為か、その親友キャラの転生体に主人公が代わっていたりします。
と言っても、今までより少し目立たなくなった程度で、前作主人公も新たなザルヴァートルモデルに搭乗して普通に活躍しますけどね。
※ガンダムで例えると、ファーストガンダムから7年後のZガンダムに時代が変わったようなものだと考えて頂ければ良いんじゃないかと思います。
内容としては、前作の最終盤で投げっぱなしで終わったアルタイルという強大な力を手に入れる為、主人公チームとフェストゥムチームが戦いを繰り広げていくといった話が大筋となっております。
ファフナーシリーズといえば退場キャラの多さで有名なんですが、今作でもそこそこの犠牲が出ますので心が弱い人は注意が必要ですね。(前作よりは随分とマシですが、最初期からいたキャラが退場したりします)
新主人公が実年齢5歳の世間知らずの生意気小僧なんですが、クールぶっていた前世と違って素直に自分の感情を出す事ができるので、なんやかんやその我儘を押し通して仲間達を救っていく展開が、個人的に感慨深い所です。
前世の無印序盤の時だったら、状況的に無理だと思ったら高確率で仲間を見捨てていましたからね。
戦闘描写に関しては3Dならではの、かなり激しい高速戦闘が多いのでロボ好きな人は一見の価値があると思います。
肝心の話については1~9話までを見た感想だと、風呂敷を広げ過ぎて絶対に綺麗に終わらないだろうと思ってましたが、10~12話で普通にまとめあげて終わらせてましたので、非常に高い脚本力が窺えます。
唯一の難点は、割とあっさりと問題解決して終わってしまいましたので、思ったよりもカタルシス的なものがない事ですかね。
とはいえ、ここまで非常に長いシリーズを全部見てきた人なら満足する出来なのは間違いありませんので、お時間のある方は視聴してみても損はないと思いますよ。
個人的には全シリーズを通して一つの作品とするならば、ファフナーシリーズは超良作でした。
これで最後かと思うと一抹の寂しさもありますが、その内に続編がくる事を願っておきましょう。