イントロダクション
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今回はAviUtlの標準機能の一つである『ディスプレイスメントマップ』を使って、空間を歪曲するような感じのシーンチェンジの作成方法を記述していこうと思います。
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↑こんな感じのやつですね。
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なかなかカッコイイ演出ですわね。
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汎用性も高いのでお薦めのシーンチェンジです。
正直、作るのが結構面倒臭いですが、一度作っておいてexoファイルに保存しておけば使い回せますので時間がある時に作っておくと割と便利だったりします。
備忘録がてら作成方法を記述していきますので、興味のある方は読んでいって下さいませ。
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最後まで見ていって下さると嬉しいです。
空間湾曲シーンチェンジの作成方法
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↑作成方法に関してはこちらの方の動画を参考にしていますので、当記事を見るよりも正直こっちを見た方が速いような気がします。
作成に必要な外部スクリプト
↑動きに緩急を付ける事が出来るイージングスクリプトを使用しますので、まだ導入していないという人は上記の記事を参考にしてスクリプトを入れてみて下さい。
空間湾曲シーンチェンジの作成方法
手順①AviUtlを起動して新規プロジェクトを作ります。
AviUtlを起動して新規プロジェクトを作ります。
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↑拡張編集のタイムライン上で右クリックすると、上記のウィンドウが出てきますので『新規プロジェクトの作成』を選択して下さい。
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↑新規プロジェクトの作成用ウィンドウが出てきますので、好きなように設定してOKボタンを押して下さい。
※フレームレートを上げると滑らかに動くようになりますが、動画の容量も上がりますので注意して下さい。私は適当に30くらいで設定してますが、激しい動きをする動画を作りたい人は60くらいでも良いと思います。
↑あとで要らない部分を切り取ってリサイズしたい場合は、こちらの記事を参考にしてトリミングしてみて下さいませ。
手順②レイヤー1に2枚の画像オブジェクトを配置します。
まあ、別に動画ファイルとかでもいいんですが、サンプルとして適当な2枚の背景画像をレイヤー1に投げ込んでおきましょう。
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↑こんな感じでレイヤー1に長さ5秒ずつくらいの画像を2枚投げ込んで下さい。※長さは好きな感じでいいです。
この2枚の画像に最終的に歪曲系のシーンチェンジをかけていく事になります。
手順③シーン1に歪曲用の図形オブジェクトを生成します。
まずはシーン1に移動しましょう。
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↑タイムライン左上にある『Root』ボタンを押すとリストが出てきますので、その中にある『Scene1』を選択するとそちらに移動します。
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↑シーン1に移動すると何もないタイムラインになりますので、右クリック→『メディアオブジェクトの追加』→『図形』を選択して下さい。
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↑図形オブジェクトが生成されますので、オブジェクトの長さを2秒くらいにしておきます。
次にこの図形オブジェクトにマスクを付加しましょう。
タイムライン上の図形オブジェクトを選択状態でキーボードのEキーを押すとリスト一覧が出てきますので、その中にある『マスク』を選択して下さい。
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↑設定ダイアログより、図形の種類を『背景』に変更し、マスクの項目にあるマスクの種類を『円』に変更して『マスクの反転』にもチェックを入れておきます。
次にマスクの項目にある『サイズ』に動きの緩急を付ける為のイージングをかけます。
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↑『サイズ』ボタンを押すと移動形式のリストが出てきますので、イージングに変更します。
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↑あとはサイズの項目の左側を2630にして右側を200くらいにして、ぼかしの項目を300にしておけばOKです。
ただ、これは1920×1080での解像度での設定ですので、2Kとか4Kで使いたい人の場合は数値を変えないといけませんので注意して下さい。
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↑基本的には画面外から画面内に収縮する程度の大きさに調整されていれば大丈夫です。
では、次にRootで使用する時にこの素材の背景が透過されるようにシーンの設定を変更しましょう。
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↑タイムライン左上の『Scene1』ボタンを右クリックすると『シーンの設定』という項目が出るので、そちらを選択して下さい。
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↑『アルファチャンネルあり』にチェックを入れたらOKボタンを押して下さい。
これでシーン1の設定は終了です。
次にシーン2に今度は逆の動きをするものを生成しますので、シーン1のタイムライン上にある図形オブジェクトをコピーして流用します。
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↑タイムラインのオブジェクトを選択状態でキーボードのCtrl+Cを押すとクリップボードにコピーされます。
では、次にシーン2に移動してこのオブジェクトを貼り付けましょう。
手順④シーン2に歪曲用の図形オブジェクトをコピペします。
まずはシーン2に移動しましょう。
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↑タイムライン左上にある『Scene1』ボタンを押すとリストが出てきますので、その中にある『Scene2』を選択するとそちらに移動します。
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↑『Scene2』に移動したら、キーボードのCtrl+Vを押して下さい。先程コピーしたオブジェクトが貼り付けされます。
そこまで出来たら、次に設定ダイアログを変更していきましょう。
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↑マスクの項目のサイズを左側を200、右側を2630くらいにしてシーン1のオブジェクトと逆の動きをするように設定しましょう。
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↑シーン1と逆に画面内から画面外に拡張していくように調整されていれば大丈夫です。
では、さっきと同じようにRootで使用する時にこの素材の背景が透過されるようにシーンの設定を変更しましょう。
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↑タイムライン左上の『Scene2』ボタンを右クリックすると『シーンの設定』という項目が出るので、そちらを選択して下さい。
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↑『アルファチャンネルあり』にチェックを入れたらOKボタンを押して下さい。
これでシーン2の設定は終了です。シーンチェンジの大元の素材(登場&退場用)が全部できたのでRootに戻って各種設定をしてきましょう。
手順⑤Rootに戻ってフレームバッファを生成します。
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↑タイムライン左上にある『Scene2』ボタンを押すとリストが出てきますので、その中にある『Root』を選択するとそちらに移動します。
次にフレームバッファを追加していきましょう。
ちなみに、フレームバッファというのは簡単に言うとフレームバッファより上に存在する全レイヤーを1つの画像として扱う事が出来るという機能だったりします。
これに先程作ったシーン1とシーン2の素材を設定して湾曲表現をしていく事になりますね。
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↑タイムライン上のオブジェクトが何もない場所を右クリック→『メディアオブジェクトの追加』→『フレームバッファ』を選択するとタイムライン上にフレームバッファが生成されます。
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↑フレームバッファを生成したらレイヤー2に配置して、上記の画像みたいにレイヤー1に配置した最初の画像の末尾にくるように置いておきましょう。長さはシーン1で作った素材と同じにしておいて下さい。(このサンプルだと2秒です)
次にこのフレームバッファに『ディスプレイスメントマップ』の効果を付与します。
タイムライン上のフレームバッファのオブジェクトを選択状態でキーボードのEキーを押すとリスト一覧が出てきますので、その中にある『ディスプレイスメントマップ』を選択して下さい。
このディスプレイスメントマップを使う事で湾曲表現ができるようになります。
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↑『ディスプレイスメントマップ』の設定を上から順に『拡大変形を200』、『ぼかしを0』、『シーンから選択に変更』、その横の選択を『Scene1』、『変形方法を拡大変形』にして『元のサイズに合せる』のチェックを入れれば終了です。
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↑この段階でシーンチェンジの導入部分ができるようになります。
では、最終工程として退場工程を作っていきましょう。
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↑先程作ったフレームバッファを流用して退場演出を作りますので、キーボードのCtrl+Cでフレームバッファをコピーして、その後ろにCtrl+Vで貼り付けして下さい。
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↑あとはディスプレイスメントマップの選択の部分をScene2にすればOKです。
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↑これで登場&退場シーンの完成です。
ここまで完成したらエイリアスファイルかexoファイルを作っておきましょう。そのまま他の動画でも使い回せます。
ちなみにエイリアスファイルで保存する場合はRootにある登場&退場演出で2つ。シーン1と2のオブジェクトの2つで合計4つ保存する必要があります。
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↑exoファイルで一括保存したい場合はこんな感じでRootに全オブジェクトを置いてから保存して、別動画で呼び出してからシーン1とシーン2にオブジェクトを配置し直すといった方法もあります。
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↑ちなみにエイリアスとexoファイルで保存した場合、両方ともシーンにオブジェクトを配置し直す時にアルファチャンネルありにチェックを入れておかないと正しく動作しませんので注意して下さい。
↑エイリアスとexoファイルへの保存方法はこちらの記事を参考にやってみて下さい。
以上です。
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次項もお時間のある方は読んでいって下さいませ。
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今回の記事作成時間&経費&日記
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記事作成時間:約4時間
数百枚くらいLive2D用モデルのラフ画(落書き)を作ってみた結果、ぼちぼち書くようなネタがなくなってきたので、予定よりも早いですけど次の工程としてこの落書きの群れを元にしてLive2D用モデルの作成をしていこうと考えております。
師匠達に相談してみた所、先にLive2Dソフトのサブスクを購入すると大元のイラストを作成している間に無為な時間が生じる為、先に5個くらいイラストを作ってからやってみる事にしました。
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↑って事で、3時間くらいで書いてみたテスト用2号機の狐巫女さんです。(後でもう少しブラッシュアップします)
目とか腕とかの切り替えノウハウを得る為のテスト用なので、ちょっと差分が多いです。
パーツ点数が多すぎてフリー版のLive2Dだと読み込みが出来ない仕様となりましたので、サブスクを購入してからのセットアップとなりますね。
こちらは無事にセットアップが終わったら汎用型として販売しようかなと考えております。
……ぶっちゃけ、売れるかどうかは解りませんが私のPC内に死蔵しておくよりはマシでしょう。
ちなみに次に製作予定の3号機以降からは限定一点のLive2Dモデルを作れという指示なので、もうちょっと頭身を上げて塗りを重厚なものに変える可能性があります。
※ユーザー的な需要なのかどうかは解りませんが、少なくてもプロのモデラ―さん達が作るものは影とか書き込みまくった重厚なイラストが多い印象です。個人的にはアニメ的なベタ塗りの方が好きなんで、私はそっちの方面で突き進むかも知れませんが。
予定では5号機のイラストが完成したら、まとめてセットアップ作業を始めていこうかと考えておりますので、動作チェックを含めて販売までに結構時間がかかると思います。
とりあえず、Live2Dの動きのチェックをする為に3,000~5,000円くらいのWEBカメラを買わないといけませんし、また経費がかかるのが地味に憂鬱ですわ。
まあ、フルスクラッチのプラモを作るよりも格段に楽なので適当にボチボチやっていきます。
では、最後に恒例の累計出費&記事作成時間を発表して終わりにしましょう。
総制作時間:約2451時間
累計支出:74,462円